杉の卓袱台
卓袱台(ちゃぶ台)が好きで、これまで自宅用に6脚は作っています。今、編集しているこのページも、ちゃぶ台の上のノートPCで書いています。
杉という素材は、建築用材としてはありふれたもので、ホームセンターでも柱や板など様々なサイズのものがたくさん売られています。
最近の新建材を多用した住宅のことは良く分かりませんが、在来構法の木造建築だったらごく普通に使われていると思います。
なので、一般の方の木のイメージはきっと杉なんじゃないかと勝手に想像したりしています。
建築用材としてはごく一般的な杉ですが、家具用材としては、これまであまり利用されていませんでした。
その理由は、例えばテーブルなどの天板に用いようとすると、柔らかすぎて直ぐに傷がついてしまう事。
また、椅子など使おうとすると、強度確保のためにある程度の太さが必要となり、見かけがよろしくない事。
などなど、柔らかくて軽い事が欠点として挙げられると思います。
ただ、他の硬い樹種(例えばナラなど)を使っても、下敷きなしでボールペンを使えば、やっぱり天板に筆跡は残ってしまいます。
結局は、程度の問題。本当に傷つかない強度のあるテーブルが欲しいなら、木材以外のテーブルを求めるべきだろうと思います。
ならば、杉のメリットって何だろうか?
冒頭で上げたように、日本人にとって非常に馴染みのある樹種であること。
・柔らかいという事は、当たりも柔らかく天板に触ると優しく暖かい感触があること。
・非常に肌理が細かくしっとり(特に白太部分は赤ちゃんの肌の様に)していること。
などが挙げられると思います。
こういったメリットを生かしたちゃぶ台を作ってみたいと思って、制作したのがこの作品です。

ちゃぶ台としては大きめの91cmx55cm

構造は昔ながらの折り畳み式

脚を折り畳んだところ

畳にはよく似合います。

天板の拡大画像
この作品では、天板の塗装にはガラス塗料を用いています。木に含侵して硬化するので、何もしない状態より硬度が増していると思います。
とはいっても、これも程度の問題なので、やはり下敷き等で養生してやる必要はあります。
使っているうちに付いた傷は生活の年輪と思っていただいてご使用いただければと思います。
杉の柔らかくて肌理細やかな優しい肌触りを楽しんで頂ければと思います。


